指導のねらい
1)ハンドリング力アップトレーニング
2)シュートの実戦能力アップ
3)インサイドとアウトサイドの合わせ

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1.身代り姫  アップもかねて、「身代わり姫」をやりました。皆さんもこういった練習は大好きですね。大盛り上がりで良いアップになりました。

2.ドリブル基礎ドリル  テスト期間明けということだったので、ハンドリング力を高めるドリブルの基礎ドリルと、これまでに紹介してきた基本姿勢の確認、さらにはドライブインの突き出し、動いた後のオフドリブルシュートの練習を行いました。

 非常にベーシックな練習ではありますが、大事な基本をすべて網羅した練習です。この時期の吉田中にとてもお勧めのドリルなので紹介しました。4つの技術 のポイントが入っているので、一回の練習で4つとも高い意識で練習しなければなりません。

 だいたいの中学生は、こういった練習で1つか2つを意識して終わりです。しかし、高いレベルを目指す皆さんにはそれ以上をもとめて練習してもらいました。


1)突き出し
 トラベリングになりやすい、オンサイドドライブ(右側に右足から抜く)の突き出しからスタートです。この技術のポイントだけでもとてもたくさんあります。同時にたくさんは意識できないので、1つずつ習慣化していきましょう。

軸足をしっかり曲げて重心を落とすこと(トラベリング防止になります!)

・そのつま先は進みたい方向へしっかりと向いていること

・右に抜く場合は左のひじが右ひざの上にくるようにし、肩から相手の腰を抜きに行くこと

・顔を上げること

・前足が地面に着くと同時にドリブルも突き出すこと

・ドリブルは前方に突き出すこと


以上がポイントです。


2)ドリブル

・スロー

 スロードリブルでは、ボールが体の前に来ないように注意しましょう。ドリブルの最後には必ず基本姿勢でボールを保持してもらいました。

・スピード
 スピードが速くても、バランス良く基本姿勢に止まれることが重要です。

・フロントチェンジ
 身体の近くで、膝の下を通過するようなチェンジを意識してもらいました。

・ロールターン
 首から回ること、頭が上下しないこと、ターンの後にボールはディフェンスより遠くに、ということを意識してもらいました。


3)基本姿勢の確認
 ハーフラインで一回ストップし、基本姿勢の確認をします。
肩・膝・つま先が地面から垂直に直線状にあるようなバランスです。どんなドリブルからもこの姿勢ですばやく止まれるようにしましょう。


4)実戦的なシュート
 フロントチェンジやロールターンの最後には、そのターンからすばやくシュートを打ってもらいました。
 色々なチェンジからのシュートは、最初のボールの位置がバラバラになるし、バランスのコントロールも難しいので、良い調整力アップの練習になります。
 
ターンした後、持ちかえたり、ステップを踏みなおしてしまうと意味がないので注意しましょう。

3.マジックタッチ  距離感を変える指先のタッチのコントロール練習を行いました。“抜く”と“引っかける”を使い分ける練習です。
 2人組で、3回引っかけるパス、3回抜くパスというのを繰り返してもらいました。繰り返し練習しておいてくださいね。

4.ミシガンパスドリル  台形の4隅に並んで、ひっかけるパスと抜くパスを交互に練習できるドリルです。ミシガン大学がやっていたパス練習だそうです。
 ローポスト同士は強いパス、ローポストから逆サイドエルボーに向かって走る人は抜くパスを練習します。

5.パスドリル→クイックパスドリル  今日の後半にインサイドとアウトサイドのコンビネーションを練習するので、ペネトレイトパスの練習を行いました。
 まずは基本のパス練習で、まっすぐ相手のあごをねらって出すことを意識してもらいました。それが、自分がボールを投げあげている間に同じように良いパスができるように意識してもらいました。

 そのあと、3人組で、ディフェンスの手をかわすクイックパスドリルを行いました。
 ウイングにパッサーとボールマンディフェンス、ローポストにレシーバーという配置で練習します。パッサーはボールを下げてディフェンスの手を下に引きつ けておき、裏側でレシーバーが背中を向けているので、振り向いた瞬間に素早くパスを出します。この時、下げていたボールを素早く上にあげながらパスを出し ます。

 高いパスのフェイクから、すばやくバウンヅパスをするクイックパスも練習しました。 ディフェンスの手を止めるフェイントから、すぐにクイックハンドでパスが出せるようになりましょう。

6.2人組シューティング
 ・スキーマ
 3ポイントシュートの練習に入るために、距離感の確認練習をしました。シュートが入ったら一歩下がる、下がった分だけスピードを足しながら、徐々に距離をあわせていきましょう。
 この練習で順調に距離を変えられるように、マジックタッチの練習をしました。まっすぐ打つシュートフォーム自体は皆さんだいぶ良くなってきているので、この距離感のタッチをよくしていけるように、意識していきましょう。


7.スターシューティング  星型に移動しながら1分間3ポイントシュートを打ってもらいました。全国大会に出場したチームが、チームで3人10本以上という記録を達成したといっていたので、皆さんもそのレベルを目指していきましょう!

 
今回の最高記録は8本でした。まずは5本を超えることを目標に練習を続けていってください!

8.ローポストアタックの時の周りの選手の合わせ  ローポストにパスが入ったときの、周りの選手の合わせについて紹介しました。今回は、逆サイドのコーナーもしくはローポストなど、一番エンドラインに近い場所にいる選手と、その上にいる選手のXムーブを紹介しました。

 ローポスト1on1を邪魔してくる周りのディフェンスに対して、逆サイドが動かず止まっていると、そのマークマンはヘルプポジションでインサイド1on1のヘルプに入れてしまいます。

 多くの場合、逆サイドの一番ゴール下にいるオフェンスのマークマンがゴール近くでヘルプしているので、そのマークマンであるオフェンスは、ローポスト 1on1が始まったらフリースローラインのほうへフラッシュしてきましょう。この時、1on1に近づかないようにすることが重要です。空いているスペース にとびこむ意識です。
 もし、自分のマークマンが1on1の方にヘルプに行こうとしてないのであれば、ガードポジションへのスクリーンに切り替えると良いです。

 その合わせの動きのポジションを守るディフェンスは、ウイングやガードポジションにいる選手のマークマンなので、そのマークマンのオフェンスは、コーナーへオープンに広がるように動きます。

 
このXムーブを行うと、両方を守るためにはインサイドに寄ってはいられなくなります。どちらかがインサイドの1on1をケアしてしまうと、Xムーブのどちらかがノーマークになるので、チャンスを広げることが出来ます。

9.ハイポストアタックの時の周りの選手の合わせ  ハイポストにボールが入った場合の、ウイングのバックドアとショート17を紹介しました。
 ハイポストにボールが入ったら、そのサイドのローポストはスペースが空いている場合が多くあります。

 我々のチームの場合、スピードあるウイングの選手がこのゴール下のスペースにとびこんでチャンスを作ると効果的です。これを
バックドアプレーと言います。

 そのあと、ガードポジションの選手がさらにセンターから手渡しパスを受けにいきます。この、ガードポジションとハイポストの手渡しパスのプレーを
ショートセブンティーンと言います。

 この2つのチャンスを狙ってもパスが入らなかったら、ハイポストは1on1をしかけましょう。ふたつのカッティングでボールサイドのスペースが広くなっているので、1on1をするのに非常に良いスペーシングになっていると思います。

 指導の感想と次回へ向けてのコメント
 今回はひさびさに4時間の練習でした。テスト休み明けというのもあって、皆さんにとってはとても大変だったと思いますが、よくがんばってくれました。

 今回皆さんに紹介したかったのは、
 成長するスピード(上達する量)=意識の量×練習時間
という関係です。

 シュート指導をしているとき、フォロースルーが雑になっている選手が数名いました。これまで何度もフォロースルーを止めて、意識の量を増やすように促してきましたが、しばらくするとまた元のフォロースルーに戻ってしまいました。

 フォロースルーを止めないシュートで練習するのであれば、それだけ残る感覚が少なくなるということです。その減った意識の量の分、練習時間を増やさざるをえません。
フォロースルーを止めないで今よりもシュートの修正力、再現性を高めていくには、300本以上毎日打ち込むくらいの練習量が必要になります。

 練習時間やシュートの本数に限界があるのであれば、意識の量を増やしていくしかありません。そうでなければ、施設に恵まれ、練習時間に恵まれているチー ムを超える成長を達成することは難しいのです。皆さんのチームは施設の制限、練習時間の制限という壁を越えていかなければならないチームです。意識できる 量、考え・工夫する量を増やし、成長のスピードを高めていきましょう!