指導のねらい
1)攻めの姿勢からのプレーでこれまでのテクニックをより効果的に
2)速攻の1on1

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1.アドバンストドリブルとアタックステップ @技術の特徴
 やや前かがみで、すぐにでもパスが出せるし、すぐにでも抜きにいける状態をアドバンストドリブルと呼んでいます。

 ディフェンスのプレッシャーをそれほど感じない状況で、体をゴールに正対させた状態でドリブルをついているときがその状況です。

A技術のポイント
 ・右手でドリブルしているときは、右足を前に出します。

 ・足とドリブルの地面につくタイミングを交互にします。

 ・ドリブルと逆の腕を、肘を90度に曲げて床と平行に前に出し、カバーの準備をしておきます。

 ・ディフェンスを抜きにいく場合は、逆の肩がディフェンスの腰を抜くように。

 ・チャンスがあればいつでもパスが出来るように、視野は広く保ちます。

Bアタックステップ
 後ろ足で地面を蹴って突然加速する動きをアタックステップと呼んでいます。ドリブル中に後ろ足で地面を蹴って加速する感覚をつかみましょう!

2.アドバンストドリブルからクイックパス  練習したアドバンストドリブルと、ミートアウトシューティングを組み合わせて、実戦的なシューティングドリルを行いました。

 ガードポジションにはディフェンスがついた状態で、シューターがボールミートしてきます。パッサーは目の前のディフェンスをかわしてシューターに良いパスをしなければなりません。

 試合中にはパッサーにもディフェンスがいるため、良いパスが来ない場合もあります。シューターとしては、
多少パスが崩れてもキャッチ後の修正でシュートを決めきること、パッサーとしてはディフェンスがいてもシューターに良いパスが出せるようにパスのスキルアップをしていきましょう。

 パッサーは、アドバンストドリブルを使って、逃げの姿勢にならないことを意識します。そして、いつでも自分がドライブで仕掛けられるような状態でパスを ねらうことが重要です。パスだけを狙っていると、ディフェンスに読まれやすくなります。自ら攻めるか、パスでチャンスを作るか、常にソフトセンタリング で、視野が狭くならないように注意しましょう。

 
試合中のシュートの確率は、シュート技術の精度だけでなく、パスの精度も影響を及ぼします。練習中のパスは、常に高い意識でシューターの打ちやすいパスを心掛けましょう。

3.アドバンストドリブルから1on1  このステップだと、ボールが手のひらにあるときにリードフットを踏み込むことになるので、そのままチェンジオブペースをしかけたり、そこからクロスオーバーに入ったり、変化をつけることが可能になります。

 まずは「フット・ボール」のリズムでドリブルが行えるように練習してください。ドリブルしていない方の腕を前に出しておき、ディフェンスがスティールを狙って来たときにはすばやくガードできるようにしましょう。そして、
肩がディフェンスの腰を抜くようなドライブインができるように姿勢の準備をしておきましょう。


4.スピードクロスオーバーとインサイドアウト  速攻の場面などで効果的なスピードクロスオーバーを練習しました。

 スピードを落とすことなく、ディフェンスをかわすためのテクニックです。ドリブルしている手で、そのまま逆サイドにボールを移動させて一気に肩をいれて抜き去ります。

 このテクニックは
ディフェンスに近づきすぎるとうまくいきません。ブレーキをかけなければならなくなり、スピードを落とす結果になってしまいます。

 速攻の場面で、ジェイソンキッドのようにスピードを落とさず相手を抜き去るためには、
仕掛けの距離感が重要です。

 スピードクロスオーバーにディフェンスが反応してきたあとの
インサイドアウトのテクニックも練習しました。

 途中まではスピードクロスオーバーと同じ動きになっていないと相手に読まれてしまうので注意しましょう!

5.インフルエンス   インフルエンスという実戦練習も行いました。7秒以内にシュートを決めなければならないオールコート1on1です。

 スピードを落としていては間に合わないので、練習したスピードクロスオーバーとインサイドアウトを駆使してスピードの中で正確にボールをコントロールし、シュートまで持って行けるテクニックを身につけましょう!

6.アドバンストドリブルから2on2  先程練習したアドバンストドリブルからの1on1と、逆サイドからの合わせの練習をつなげた練習です。

 アドバンストドリブルは、すぐにパスが出来ることも重要な要素なので、逆サイドの選手は、チャンスがあればフラッシュカットしてきてパスを受けてもかまいません。

 そういった、パスもあるという状況で、1on1も狙います。1on1でしかけることができたら、逆サイドのオフェンスは合わせの動きでチャンスになりましょう。

 1on1はヘルプディフェンスの対応を見ながら、自ら行くか、パスを出すかを判断します。実戦的な2on2です。

 2on2のあと、リバウンドから速攻まで行いました。切り替えの部分がバスケットボールのだいご味です。リバウンドの後はかならず速攻があるし、すばやくディフェンスに入れなければならないので、意識して取り組みましょう!

7.3on3   今日の練習の総合ドリルです。速攻になったら、目の前のディフェンスをスピードの中で抜き去って、アウトナンバーを作りましょう!

 3on3の時も、ドリブル中はアドバンストドリブルを意識してもらいました。
ボールを持っていないオフェンスは、お互いにスクリーンをかけてチャンスを作りつつ、もしボールマンがドライブを始めたらすばやく合わせの動きに入ります。

 アドバンストドリブル中は、スクリーンからチャンスになるかもしれないので、そのチャンスを狙いつつも抜きにかかるチャンスも狙ってなければなりません。

 
遠くを強く観て、近くを弱く見ること。宮本武蔵の極意をぜひ覚えておいてください。

8.ゲーム   最後はいつもどおり5on5を行いました。ゲームの中で皆さんの成長を見れるのがとても楽しいです。

 指導の感想と次回へ向けてのコメント
 今回が、中学3年生たちにとって大会前最後の練習となってしまいました。大会を迎える3年生たちに、僕が尊敬する偉大なコーチ、ジョン・ウッデン氏の言葉を紹介しました。

 Success is peace of mind which is a direct result of self-satisfaction in knowing you did your best to become the best you are capable of becoming.
 
「自分がなることのできるベストの状態になるために、能力の限りを尽くした、という自覚から生まれる満足感とそれによる心の平穏。この心の平穏こそが真の成功の証しだ。」

 最後の大会まで、自分達がなりうる最高の自分に近付けたんだと思えるような練習を続けてください。そして、勝った試合の後にも、負けた試合の後にも、自 分にできるプレーを最大限だせるように最善を尽くせたと満足できるような試合をしてください。それが、皆さんが中学3年間努力してきたことが実りとなる何 よりの証になるのです。

 また、皆さんと一緒に練習できる日を楽しみにしています。がんばれ、みんな!